サイディング外壁の命綱!「コーキング(シーリング)」の寿命と打ち替え費用の目安

サイディング外壁の命綱!「コーキング(シーリング)」の寿命と打ち替え費用の目安

「サイディングの壁の、つなぎ目のゴムみたいなものがヒビ割れてる…」
「これって放置したらまずい?」

日本の多くの住宅で使われているサイディング外壁。そのボードとボードのつなぎ目を埋めている、ゴム状の素材が「コーキング(またはシーリング)」です。

このコーキングは、建物の防水性と耐久性を保つ上で、まさに「命綱」とも言える非常に重要な役割を担っています。

この記事では、コーキングの役割と劣化症状、メンテナンスの目安となる寿命、そして補修にかかる費用の相場について詳しく解説します。

コーキングの3つの重要な役割

一見、ただの隙間埋めに見えるコーキングですが、実は以下の3つの重要な役割を果たしています。

  1. 防水性の確保(雨水の浸入防止)
    最大の役割は、サイディングボードの隙間から雨水が浸入するのを防ぐことです。コーキングが劣化すると、そこから水が入り込み、雨漏りや建物の内部構造の腐食につながります。
  2. 緩衝材(クッション)の役割
    サイディングボードは、温度変化や地震の揺れによって、わずかに膨張・収縮を繰り返しています。弾力性のあるコーキングがその動きを吸収するクッションとなることで、ボード同士がぶつかり合って破損するのを防いでいます。
  3. 美観の維持
    隙間なくきれいに充填されたコーキングは、外壁全体の見た目を美しく整える役割も担っています。

これは危険!コーキングの劣化サイン

コーキングの主成分は樹脂であり、紫外線や雨風の影響で徐々に劣化していきます。以下のようなサインが見られたら、メンテナンスを検討する時期です。

  • 肉やせ(肉痩せ)
    コーキングが弾力性を失い、痩せ細って隙間ができてしまっている状態。初期の劣化サインです。
  • ひび割れ(クラック)
    コーキングの表面に、ピシピシと細かなひび割れが入っている状態。劣化が進行しています。
  • 剥離(はくり)
    コーキングがサイディングボードの側面から剥がれて、隙間ができてしまっている状態。防水機能が失われ、雨水が浸入しやすい危険な状態です。
  • 欠落(けつらく)
    コーキングが完全に剥がれ落ちてしまっている状態。最も深刻な状態で、早急な対応が必要です。

コーキングの寿命とメンテナンスの目安

コーキングの寿命は、使用されている種類によって異なりますが、一般的には7年〜10年が目安と言われています。

外壁塗装の耐用年数(10年〜15年)よりも短いことが多いため、「外壁塗装を行うタイミングで、コーキングも一緒にメンテナンスする」のが最も効率的で、足場代も一度で済むため経済的です。

補修方法:「打ち替え」と「増し打ち」

コーキングの補修には、2つの方法があります。

  1. 打ち替え工法(推奨)
    既存の古いコーキングをすべてカッターで撤去し、新しいコーキング材を充填する方法です。手間はかかりますが、コーキング本来の性能をしっかりと発揮できるため、基本的にはこちらの「打ち替え」が推奨されます。
  2. 増し打ち工法
    既存のコーキングの上から、新しいコーキング材を重ねて充填する方法です。古いコーキングを撤去する手間がないため費用は安くなりますが、十分な厚みが確保できず、すぐに劣化してしまう可能性があります。窓のサッシ周りなど、部分的な補修に用いられることがあります。

費用の目安は?

コーキングの補修費用は、以下の要素で決まります。

  • 単価: 1メートルあたりの価格(打ち替え or 増し打ち)
  • 長さ: 家全体のコーキングの総メートル数
  • その他: 足場代などの諸経費

一般的な30坪程度の住宅の場合、コーキングの打ち替えにかかる費用は約15万円〜25万円が相場となります(足場代は別途)。

まとめ:コーキングの劣化は、建物全体の劣化につながる

サイディング外壁において、コーキングは建物を水から守る最後の砦です。その劣化を放置することは、雨漏りを引き起こし、最終的には建物の寿命を縮めてしまうことに直結します。

ご自宅の壁のつなぎ目に、ひび割れや剥がれを見つけたら、それは重要なメンテナンスのサインです。信頼できる専門業者に点検を依頼し、適切な時期に補修を行うようにしましょう。

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