プロが教える!付帯部の塗装|軒天・破風・雨樋の塗装方法と注意点

住宅点検

プロが教える!付帯部の塗装|軒天・破風・雨樋の塗装方法と注意点

外壁塗装工事では、外壁本体だけでなく「付帯部」と呼ばれる部分の塗装も重要です。付帯部の塗装を適切に行うことで、建物全体の美観と耐久性が向上します。この記事では、主な付帯部の塗装方法と注意点について解説します。

付帯部とは?

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付帯部とは、外壁以外の建物の外装部分を指します。主な付帯部には以下のようなものがあります:
軒天(のきてん):軒の裏側の天井部分
破風板(はふいた):屋根の端部を覆う板
雨樋(あまどい):雨水を集めて排水するための部材
鼻隠し(はなかくし):屋根の端部を隠す部材
換気口(かんきこう):換気のための開口部
雨戸(あまど):窓を保護するための戸
戸袋(とぶくろ):雨戸を収納する部分
水切り(みずきり):雨水の侵入を防ぐための部材

付帯部塗装の重要性

付帯部の塗装を怠ると、以下のような問題が発生する可能性があります:
1. 劣化の進行:紫外線や雨水による劣化が進み、腐食や破損の原因になる
2. 美観の低下:外壁だけを塗装すると、付帯部との色の差が目立ち、全体の美観が損なわれる
3. 雨漏りのリスク:特に軒天や破風板の劣化は、雨漏りの原因になることがある

軒天の塗装

軒天の種類と特徴

軒天には主に以下の種類があります:
ケイカル板:軽量で耐火性に優れた素材
モルタル:耐久性が高いが、重量がある
木材:見た目が美しいが、メンテナンスが必要
金属:耐久性が高く、メンテナンスが少ない

軒天塗装の手順

  1. 高圧洗浄:汚れやカビを除去
  2. 下地処理:劣化部分の補修、サンディング
  3. 養生:周囲を保護
  4. 下塗り:専用のプライマーを塗布
  5. 上塗り:2回塗りが基本

軒天塗装の注意点

  • カビ対策:軒天はカビが発生しやすいため、防カビ性能のある塗料を選ぶ
  • 通気性:通気口がある場合は塞がないよう注意
  • 色選び:外壁や屋根との調和を考慮

破風板の塗装

破風板の種類と特徴

破風板には主に以下の種類があります:
木製破風板:伝統的な外観だが、腐食しやすい
金属製破風板:耐久性が高いが、塗装の密着性に注意
樹脂製破風板:軽量で耐久性があるが、紫外線で劣化

破風板塗装の手順

  1. 高圧洗浄:汚れや古い塗膜を除去
  2. 下地処理:腐食部分の補修、サンディング
  3. 養生:屋根材や周囲を保護
  4. 下塗り:素材に適したプライマーを塗布
  5. 上塗り:2回塗りが基本

破風板塗装の注意点

  • 素材の確認:木製、金属製、樹脂製で適切な塗料が異なる
  • 腐食チェック:特に木製破風板は腐食していないか入念にチェック
  • 端部処理:水が溜まりやすい端部は丁寧に塗装

雨樋の塗装

雨樋の種類と特徴

雨樋には主に以下の種類があります:
塩ビ製(PVC):最も一般的で、軽量だが紫外線で劣化
金属製(アルミ、ガルバリウム等):耐久性が高いが、塗装の密着性に注意
銅製:高級感があり耐久性も高いが、高価

雨樋塗装の手順

  1. 高圧洗浄:汚れや苔を除去
  2. 下地処理:劣化部分の補修、サンディング
  3. 養生:周囲を保護
  4. 下塗り:素材に適したプライマーを塗布
  5. 上塗り:2回塗りが基本

雨樋塗装の注意点

  • 素材の確認:塩ビ製と金属製では適切な塗料が異なる
  • 継ぎ目チェック:継ぎ目や接合部の劣化を確認
  • 排水確認:塗装後、排水がスムーズに行われるか確認

換気口の塗装

換気口塗装の手順

  1. 清掃:ホコリや汚れを除去
  2. 養生:内部に塗料が入らないよう保護
  3. 下塗り:素材に適したプライマーを塗布
  4. 上塗り:2回塗りが基本

換気口塗装の注意点

  • 目詰まり防止:換気口の機能を損なわないよう注意
  • 防錆処理:金属製の場合は適切な防錆処理を行う
  • 塗料選び:耐候性の高い塗料を選ぶ

付帯部塗装に適した塗料

付帯部の素材や環境に合わせて、適切な塗料を選ぶことが重要です。

軒天・破風板向け塗料

  • 水性アクリル塗料:通気性が良く、カビを防止
  • ウレタン塗料:耐久性と柔軟性のバランスが良い
  • シリコン塗料:耐候性に優れ、長持ち

雨樋・金属部向け塗料

  • ウレタン塗料:密着性と柔軟性に優れる
  • フッ素塗料:高耐久で長期間美観を維持
  • 特殊塩ビ用塗料:塩ビ製雨樋に適した専用塗料

付帯部塗装の費用相場

付帯部塗装の費用は、部位や素材、面積によって異なります。一般的な相場は以下の通りです:
| 付帯部の種類 | 費用相場(一戸建て) |
|————–|———————-|
| 軒天 | 5〜10万円 |
| 破風板 | 3〜8万円 |
| 雨樋 | 3〜7万円 |
| 換気口 | 1〜3万円 |
| 全付帯部 | 15〜30万円 |
※外壁塗装と同時に行う場合は、単独で行うよりも割安になることが多いです。
詳しくは「外壁塗装の費用相場と内訳」をご覧ください。

よくある質問

Q. 付帯部の塗装は外壁と同じ塗料を使っても良いですか?
A. 基本的には外壁と同じ塗料を使用することが多いですが、素材によっては専用の塗料を使用する必要があります。特に塩ビ製の雨樋や金属部分は、密着性を考慮した専用の塗料を使用することをおすすめします。
Q. 付帯部だけを塗装することはできますか?
A. 技術的には可能ですが、外壁と付帯部を別々に塗装すると、色の統一感が失われる可能性があります。また、足場設置費用などを考慮すると、外壁塗装と同時に行う方がコスト効率が良いでしょう。
Q. 軒天のカビはどうすれば防げますか?
A. 軒天のカビ防止には、防カビ性能のある塗料を使用することが効果的です。また、定期的な清掃や、通気を良くすることも重要です。詳しくは「外壁の日常メンテナンス」をご覧ください。

まとめ

付帯部の塗装は、外壁塗装と同様に建物を保護し美観を保つために重要です。素材や部位に合わせた適切な塗料と施工方法を選ぶことで、長期間美しい状態を維持することができます。外壁塗装を検討する際は、付帯部の状態も確認し、必要に応じて同時に塗装することをおすすめします。
次のステップとして、以下の記事もチェックしてみてください:
外壁塗装の工程と流れ
シーリング工事の基礎
外壁塗装後のメンテナンス


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塗田 匠と彩乃 結の視点:
塗田匠:お客様が付帯部の塗装について、知っておくべき情報をまとめました。
彩乃結:付帯部の塗装の重要性や、注意点を分かりやすく解説しました。


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