プロが教える!付帯部の塗装|軒天・破風・雨樋の塗装方法と注意点
外壁塗装工事では、外壁本体だけでなく「付帯部」と呼ばれる部分の塗装も重要です。付帯部の塗装を適切に行うことで、建物全体の美観と耐久性が向上します。この記事では、主な付帯部の塗装方法と注意点について解説します。
📋 この記事の目次
付帯部とは?

付帯部とは、外壁以外の建物の外装部分を指します。主な付帯部には以下のようなものがあります:
– 軒天(のきてん):軒の裏側の天井部分
– 破風板(はふいた):屋根の端部を覆う板
– 雨樋(あまどい):雨水を集めて排水するための部材
– 鼻隠し(はなかくし):屋根の端部を隠す部材
– 換気口(かんきこう):換気のための開口部
– 雨戸(あまど):窓を保護するための戸
– 戸袋(とぶくろ):雨戸を収納する部分
– 水切り(みずきり):雨水の侵入を防ぐための部材
付帯部塗装の重要性
付帯部の塗装を怠ると、以下のような問題が発生する可能性があります:
1. 劣化の進行:紫外線や雨水による劣化が進み、腐食や破損の原因になる
2. 美観の低下:外壁だけを塗装すると、付帯部との色の差が目立ち、全体の美観が損なわれる
3. 雨漏りのリスク:特に軒天や破風板の劣化は、雨漏りの原因になることがある
軒天の塗装
軒天の種類と特徴
軒天には主に以下の種類があります:
– ケイカル板:軽量で耐火性に優れた素材
– モルタル:耐久性が高いが、重量がある
– 木材:見た目が美しいが、メンテナンスが必要
– 金属:耐久性が高く、メンテナンスが少ない
軒天塗装の手順
- 高圧洗浄:汚れやカビを除去
- 下地処理:劣化部分の補修、サンディング
- 養生:周囲を保護
- 下塗り:専用のプライマーを塗布
- 上塗り:2回塗りが基本
軒天塗装の注意点
- カビ対策:軒天はカビが発生しやすいため、防カビ性能のある塗料を選ぶ
- 通気性:通気口がある場合は塞がないよう注意
- 色選び:外壁や屋根との調和を考慮
破風板の塗装
破風板の種類と特徴
破風板には主に以下の種類があります:
– 木製破風板:伝統的な外観だが、腐食しやすい
– 金属製破風板:耐久性が高いが、塗装の密着性に注意
– 樹脂製破風板:軽量で耐久性があるが、紫外線で劣化
破風板塗装の手順
- 高圧洗浄:汚れや古い塗膜を除去
- 下地処理:腐食部分の補修、サンディング
- 養生:屋根材や周囲を保護
- 下塗り:素材に適したプライマーを塗布
- 上塗り:2回塗りが基本
破風板塗装の注意点
- 素材の確認:木製、金属製、樹脂製で適切な塗料が異なる
- 腐食チェック:特に木製破風板は腐食していないか入念にチェック
- 端部処理:水が溜まりやすい端部は丁寧に塗装
雨樋の塗装
雨樋の種類と特徴
雨樋には主に以下の種類があります:
– 塩ビ製(PVC):最も一般的で、軽量だが紫外線で劣化
– 金属製(アルミ、ガルバリウム等):耐久性が高いが、塗装の密着性に注意
– 銅製:高級感があり耐久性も高いが、高価
雨樋塗装の手順
- 高圧洗浄:汚れや苔を除去
- 下地処理:劣化部分の補修、サンディング
- 養生:周囲を保護
- 下塗り:素材に適したプライマーを塗布
- 上塗り:2回塗りが基本
雨樋塗装の注意点
- 素材の確認:塩ビ製と金属製では適切な塗料が異なる
- 継ぎ目チェック:継ぎ目や接合部の劣化を確認
- 排水確認:塗装後、排水がスムーズに行われるか確認
換気口の塗装
換気口塗装の手順
- 清掃:ホコリや汚れを除去
- 養生:内部に塗料が入らないよう保護
- 下塗り:素材に適したプライマーを塗布
- 上塗り:2回塗りが基本
換気口塗装の注意点
- 目詰まり防止:換気口の機能を損なわないよう注意
- 防錆処理:金属製の場合は適切な防錆処理を行う
- 塗料選び:耐候性の高い塗料を選ぶ
付帯部塗装に適した塗料
付帯部の素材や環境に合わせて、適切な塗料を選ぶことが重要です。
軒天・破風板向け塗料
- 水性アクリル塗料:通気性が良く、カビを防止
- ウレタン塗料:耐久性と柔軟性のバランスが良い
- シリコン塗料:耐候性に優れ、長持ち
雨樋・金属部向け塗料
- ウレタン塗料:密着性と柔軟性に優れる
- フッ素塗料:高耐久で長期間美観を維持
- 特殊塩ビ用塗料:塩ビ製雨樋に適した専用塗料
付帯部塗装の費用相場
付帯部塗装の費用は、部位や素材、面積によって異なります。一般的な相場は以下の通りです:
| 付帯部の種類 | 費用相場(一戸建て) |
|————–|———————-|
| 軒天 | 5〜10万円 |
| 破風板 | 3〜8万円 |
| 雨樋 | 3〜7万円 |
| 換気口 | 1〜3万円 |
| 全付帯部 | 15〜30万円 |
※外壁塗装と同時に行う場合は、単独で行うよりも割安になることが多いです。
詳しくは「外壁塗装の費用相場と内訳」をご覧ください。
よくある質問
まとめ
付帯部の塗装は、外壁塗装と同様に建物を保護し美観を保つために重要です。素材や部位に合わせた適切な塗料と施工方法を選ぶことで、長期間美しい状態を維持することができます。外壁塗装を検討する際は、付帯部の状態も確認し、必要に応じて同時に塗装することをおすすめします。
次のステップとして、以下の記事もチェックしてみてください:
– 外壁塗装の工程と流れ
– シーリング工事の基礎
– 外壁塗装後のメンテナンス
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塗田 匠と彩乃 結の視点:
塗田匠:お客様が付帯部の塗装について、知っておくべき情報をまとめました。
彩乃結:付帯部の塗装の重要性や、注意点を分かりやすく解説しました。