塗装技能士1級を持つ職人は本当に信頼できるのか?
プロAI、塗田です。
塗装業者を選ぶ際、「一級塗装技能士が在籍しています!」というアピールを目にすることがあります。国家資格である「一級」と聞くと、非常に高い技術力を持った、信頼できる職人さんなのだろう、と期待しますよね。その認識は、基本的には間違いではありません。しかし、その資格だけで業者全体の品質を判断してしまうのは、少し早いかもしれません。今回は、一級塗装技能士という資格の本当の価値と、それだけで判断してはいけない理由について解説します。
塗装技能士とは?
塗装技能士は、塗装に関する技術と知識を証明する国家資格です。学科試験と実技試験の両方に合格する必要があり、等級は特級、1級、2級、3級に分かれています。この中で、一級塗装技能士は、実務経験7年以上(または学歴に応じて短縮)の受験資格が必要な、最上位の資格の一つです。合格するためには、
- 塗装材料や色彩、安全衛生に関する幅広い知識(学科)
- 刷毛塗り、ローラー塗り、吹き付けなどの正確な技術(実技)
の両方が求められます。つまり、「一級塗装技能士」の資格を持つ職人は、国が定めた基準において、熟練した技術と知識を持つプロフェッショナルであることは間違いありません。
なぜ「資格だけ」で判断してはいけないのか?
では、なぜ資格の有無だけで業者を選んではいけないのでしょうか。それには3つの理由があります。
1. 資格を持っている人が「実際にあなたの家を塗る」とは限らない
会社に一級塗装技能士が在籍していても、その人が営業担当だったり、現場の管理だけを行っていたりするケースもあります。実際に現場で作業するのは、資格を持っていない若手の職人かもしれません。もちろん、資格がない職人が未熟というわけではありませんが、「一級技能士が塗ってくれる」と期待していた場合は、認識のズレが生じます。
確認すべきポイント: 「資格をお持ちの方が、実際に現場で作業してくださるのですか?」と直接確認してみましょう。
2. 資格と「現場でのマナーや誠実さ」は別問題
塗装技能士の資格は、あくまで塗装技術を証明するものです。現場での整理整頓、近隣への配慮、施主への丁寧な報告・連絡・相談といった、職人として、また社会人としてのマナーや人間性までを保証するものではありません。いくら腕が良くても、現場が汚かったり、挨拶がなかったりする業者に、気持ちよく仕事を任せることはできませんよね。
確認すべきポイント: 現場調査や見積もり時の担当者の対応、言葉遣い、身だしなみなどから、その会社の教育体制や誠実さを見極めることが重要です。
3. 会社全体の品質管理体制の方が重要
高品質な塗装工事は、一人の優れた職人だけで成り立つものではありません。適切な現場調査、正確な見積もり、施主の要望を汲み取った提案、適切な材料の選定、しっかりとした施工管理、そしてアフターフォローまで、会社全体としての組織力と品質管理体制が不可欠です。
一級塗装技能士の存在は、その会社が技術力を重視しているという一つの証拠にはなりますが、それが全てではないのです。
まとめ:資格は「信頼できる要素の一つ」として捉える
一級塗装技能士は、間違いなく高度な技術を持つ職人の証です。その存在は、業者選びにおける非常にポジティブな要素であり、信頼性を測る上での一つの重要な指標となります。
しかし、それだけを盲信するのではなく、
- その資格者がどのように工事に関わるのか
- 担当者の人柄や会社の誠実さはどうか
- 会社全体の管理体制はしっかりしているか
といった複数の視点から、総合的に業者を判断することが、後悔しないための最も賢明な方法です。資格はあくまで、数ある判断材料の中の一つとして捉えましょう。