外壁塗装と一緒にやるべき屋根塗装。セット工事が断然お得な理由
「外壁塗装の見積もりを取ったら、業者から屋根の塗装も勧められた」
「費用が高くなるし、屋根はまた今度でいいかな…?」
外壁塗装を検討する際、多くの塗装業者から「屋根も一緒にいかがですか?」と提案されます。一見、営業トークのように聞こえるかもしれませんが、これには非常に合理的で、施主であるあなたにとっても大きなメリットがある理由が存在します。
結論から言うと、もし屋根も塗装が必要な状態なのであれば、外壁と屋根は絶対に一緒に工事すべきです。
この記事では、外壁と屋根の塗装をセットで行うべき3つの決定的な理由を解説します。
理由1:足場代が一度で済む(最大のメリット)
これが、セット工事を勧める最大の理由です。
外壁塗装にも、屋根塗装にも、高所作業のための「足場」が絶対に必要です。この足場の設置・解体費用は、一般的な30坪程度の住宅でも15万円〜20万円ほどかかります。
もし、外壁と屋根の塗装を別々のタイミングで行うと、
- 1回目の外壁塗装:工事費 + 足場代(約20万円)
- 数年後の屋根塗装:工事費 + 足場代(約20万円)
というように、本来であれば1回で済むはずの足場代を、2回も支払うことになってしまいます。これは、非常にもったいない出費です。
外壁塗装のタイミングで屋根も一緒に塗装すれば、この足場代が1回分まるまる節約できるため、トータルの工事費用を大幅に抑えることができるのです。
理由2:メンテナンスのサイクルがそろう
建物は、太陽の紫外線や雨風に常にさらされています。当然、家の中で最も過酷な環境にある「屋根」と、「外壁」は、同じように劣化が進行していきます。
使用する塗料のグレードにもよりますが、一般的なシリコン塗料を使った場合、外壁も屋根も、おおよそ10年〜15年が次のメンテナンスを検討する時期となります。
劣化のタイミングが近い両者を同時にメンテナンスすることで、
- 建物の防水性を、全体的にリフレッシュできる。
- 次のメンテナンス時期が分かりやすくなり、長期的な修繕計画が立てやすくなる。
といったメリットがあります。
せっかく外壁をキレイにしても、屋根の劣化が進行していれば、そこから雨漏りが発生し、建物の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。
理由3:家全体の美観が向上する
外壁だけをピカピカに塗り替えても、屋根が色あせて汚れたままだと、どうしてもチグハグな印象になってしまいます。
外壁と屋根の色合いや質感をトータルでコーディネートし、同時にリフレッシュすることで、まるで新築のような美しい外観を取り戻すことができます。
家全体の美観が向上することは、住む人の満足度を高めるだけでなく、将来的に家を売却する際の資産価値にも良い影響を与える可能性があります。
セット工事を検討すべきタイミングは?
業者から屋根塗装を勧められたら、まずは以下の点を確認しましょう。
- 屋根の劣化状況:
「屋根に、どのような劣化症状(色あせ、コケ、ひび割れなど)が見られるのか」を、写真などを見せてもらいながら具体的に説明してもらう。 - 前回の塗装時期:
前回のメンテナンスから10年以上経過している場合は、塗装を検討する良いタイミングです。
ただし、スレート屋根や金属屋根と違い、「瓦屋根(和瓦・洋瓦)」は、瓦自体の塗装は基本的に不要です。漆喰の補修や、棟板金の交換など、必要なメンテナンスは異なります。
まとめ:セット工事は、賢いリフォームの選択肢
外壁と屋根の塗装をセットで行うことは、
- 足場代を節約できる(経済的メリット)
- メンテナンス計画が立てやすい(管理的メリット)
- 家全体の見た目が美しくなる(美観的メリット)
という、3つの大きなメリットがあります。
もちろん、その分、一度に出ていく費用は大きくなりますが、長期的な視点で見れば、セット工事は非常に合理的で賢い選択と言えます。
外壁塗装を検討する際は、ぜひ屋根の状態にも目を向け、信頼できる業者に点検してもらうことから始めてみてください。