外壁塗装の期間「約3-4週間」はなぜ曖昧? 雨で延びる現実と、契約前に知っておくべき全工程

お客様からのご相談

【神奈川県鎌倉市・Y.K様(40代・ご夫婦)】

はじめまして。契約したいと思える業者さんが見つかり、価格や仕様についても合意できたのですが、最後の「スケジュール」について、夫婦で少し不安を感じています。

見積書に添付された工程表には「作業期間:約3週間(天候により順延)」と書かれているのですが、この「約」や「順延」という言葉が、どうにも曖昧で…。

夫は週に数回、在宅でオンライン会議などがあり、工事の騒音が気になっています。どの作業が一番うるさいのか、事前に分かると助かるのですが。

また、実は11月の末に、両親の記念日で自宅に親戚を招く予定があるのです。今から工事を始めると、もし10月に雨が続いた場合、工事が長引いて、その予定に間に合わなくなってしまうのではないかと、気が気ではありません。

「約3週間」の内訳は、一体どうなっているのでしょうか。雨が降ると、どのくらい遅れるものなのでしょうか。契約前に、もっと具体的なスケジュールのイメージを掴んで、お互いに安心して工事を進めたいです。

AI館長・塗田がお答えします!

Y.K様、こんにちは!外壁塗装リフォーム館のAI館長の塗田です。

ご契約内容にご納得された上での、その最後のスケジュールの不安、本当によく分かります!工事の品質や価格と同じくらい、「いつ始まって、いつ終わるのか」「どんな音がして、いつ匂いがするのか」は、日々の暮らしに直結する、とても重要な問題ですものね。

ご安心ください。その「約3週間」という曖昧に見える期間の内訳を、一つひとつ分解して「見える化」してしまえば、Y.K様の不安は、具体的な「計画」と「安心」に変わります。

今日は、外壁塗装の全工程を、時間と音、匂いまで含めて、一緒に旅してみましょう。


見積もりから完成まで。外壁塗装の「全工程」を大公開!

まずは、一般的な30坪程度のお宅の場合の、標準的なスケジュールを見てみましょう。Y.K様のご主人が気にされている「騒音」と、多くの方が気にされる「匂い」のレベルも併記しますね。

【1週目:準備と洗浄の週】

  • 1~2日目:足場の組立、飛散防止ネットの設置
    • 騒音レベル:大 🛠️
    • 金属製の部材を組むため、カンカンという大きな音が響きます。工事全体で最も音が気になる期間の一つです。
  • 3日目:高圧洗浄
    • 騒音レベル:大 🔊
    • エンジン式の高圧洗浄機を使用するため、大きなエンジン音が継続的に発生します。窓は開けられません。
  • 4~5日目:下地処理、養生
    • 騒音レベル:小~中
    • 古い塗膜を削る「ケレン」作業で少し音が出ますが、限定的です。窓などをビニールで覆う「養生」は静かな作業です。
  • 6~7日目:シーリング工事、乾燥期間
    • 騒音レベル:小
    • 古いシーリング材の撤去や新しい材料の充填は、ほとんど音がしません。高圧洗浄で濡れた壁を、ここで完全に乾かします。

【2週目:塗装の週】

  • 8日目:下塗り
    • 騒音レベル:小 / 匂いレベル:中 👃
    • ここから本格的な塗装が始まります。ローラーでの作業なので音は静かですが、塗料の匂いがし始めます(最近は低臭タイプが主流です)。
  • 9日目:中塗り
    • 騒音レベル:小 / 匂いレベル:中 👃
  • 10日目:上塗り
    • 騒音レベル:小 / 匂いレベル:中 👃
    • これで壁の塗装は完了。美しい色が姿を現します。
  • 11~13日目:付帯部(雨樋、軒天など)の塗装
    • 騒音レベル:小
    • 細かい部分を刷毛などで丁寧に仕上げていきます。

【3週目:仕上げと片付けの週】

  • 14~15日目:業者による自主検査、手直し
    • 騒音レベル:ほぼ無
  • 16日目:施主様による完工検査
    • 騒音レベル:無
    • Y.K様ご夫妻に、仕上がりを最終チェックしていただきます。
  • 17日目:足場の解体
    • 騒音レベル:大 🛠️
    • 組立時と同様、大きな音が出ます。これが終われば、美しい我が家の全貌が見えます!
  • 18日目以降:清掃、片付け、完工
    • 騒音レベル:無

いかがでしょうか。騒音が特に大きいのは、最初と最後の「足場」と、「高圧洗浄」の日だと分かります。この日さえ避ければ、在宅勤務への影響も最小限にできるかもしれませんね。


なぜ「約」がつく?天敵「雨」がスケジュールに与える影響

この全18工程、実働日数だけで見ると3週間弱です。しかし、ここに「約」がつく最大の理由、それは**「雨」**です。

塗装工事において、雨は絶対的な天敵です。それは単に「職人さんが濡れてしまうから」ではありません。

  • 理由①:塗装する壁が濡れていてはダメ
    • 湿った壁に塗装をすると、塗料が密着せず、数年で膨れたり剥がれたりする原因になります。
  • 理由②:湿度が高すぎてもダメ
    • 塗装は、湿度が85%以上になると、塗料が正常に乾燥・硬化せず、本来の性能を発揮できません。

重要なのは、「1日雨が降ると、工事も1日遅れる」という単純な計算にはならないことです。例えば、朝から雨が降った日は作業が中止になりますが、その翌日が晴れても、壁が完全に乾くまで塗装はできません。そのため、1日雨が降ると、実質1.5日~2日、工程が遅れることも珍しくないのです。

これが、誠実な業者ほど「天候により順延します」という、一見“曖昧な”約束をせざるを得ない理由です。品質を第一に考えている証拠なのですね。


契約前に絶対確認!スケジュールに関する「5つの質問」

Y.K様が抱える不安を、契約前にスッキリ解消するために、業者さんに以下の5つの質問を投げかけてみてください。

  1. 「今の工程表を、もう少し具体的にしたものをいただけますか?」
    • 上記でご紹介したような、日ごとの作業内容が分かる工程表をもらいましょう。
  2. 「雨で作業が中止になる場合、当日の朝、何時頃にご連絡いただけますか?」
    • コミュニケーションのルールを事前に決めておくと、お互いにストレスがありません。
  3. 「在宅勤務の都合で、〇曜日と〇曜日は、なるべく静かな作業をお願いしたいのですが、工程の調整は可能ですか?」
    • 足場や高圧洗浄の日を、出勤日と合わせてもらうなどの相談に乗ってくれる業者もいます。
  4. 「11月末に家の利用予定があるのですが、それを考慮すると、いつ頃までに工事を始めるのが現実的でしょうか?」
    • 重要な予定は、必ず契約前に伝えてください。プロの業者なら、過去のデータから10月の平均的な雨天日数を考慮し、「10月上旬には始めないと、間に合わないリスクがありますね」といった、現実的なアドバイスをくれるはずです。
  5. 「日曜・祝日は、基本的にお休みという認識でよろしいですか?」
    • 休工日を事前に確認しておくことも、ご近所への配慮と、ご自身の予定を立てる上で大切です。

スケジュールに関する事前の対話は、業者さんを縛り付けるためではありません。お互いの状況を理解し、信頼関係を築くための、最も重要なコミュニケーションです。

これらの対話を通じて、Y.K様ご夫妻が、安心して工事期間を過ごされることを心から願っております。

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