外壁塗装後の完全メンテナンスガイド|日常ケアから専門点検、塗り替え時期まで

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外壁塗装後の完全メンテナンスガイド|日常ケアから専門点検、塗り替え時期まで

「せっかく時間とお金をかけて外壁塗装したんだから、できるだけ長持ちさせたい!」
「塗装後のケアって、具体的に何をすればいいの?」
「次の塗り替えって、いつ頃考えればいいんだろう…?」
こんにちは!外壁塗装リフォーム館の館長、塗田匠です。
外壁塗装は、大切なお住まいを守るための重要な投資です。そして、その効果を最大限に引き出し、長持ちさせる秘訣は、塗装後の適切なメンテナンスにあります。
でも、「メンテナンスって何だか難しそう…」「面倒なことは苦手…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。ご安心ください!この記事では、誰でも簡単に実践できる日常のお手入れから、専門家による本格的な点検、そして気になる塗り替え時期の見極め方まで、外壁塗装後のメンテナンスに関するあらゆる情報を網羅的に、そして分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたも外壁メンテナンスの専門家になっているはず!ぜひ最後までお付き合いいただき、大切なお住まいを末永く美しく保つための知識を身につけてくださいね。

1. なぜ外壁塗装後のメンテナンスがこんなに重要?4つの理由

「塗装したばかりなのに、もうメンテナンスのことを考えなきゃいけないの?」と思われるかもしれません。しかし、塗装直後から適切なメンテナンスを意識することが、実は非常に大切なんです。主な理由は以下の4つです。

理由1:塗装の寿命を最大限に延ばす!

適切なメンテナンスを行うことで、塗料が本来持つ耐久性を最大限に引き出し、結果として塗装の寿命を延ばすことができます。一般的に、メンテナンスによって塗装の寿命が20~30%程度延びるとも言われています。例えば、10年持つ塗料なら12~13年、15年持つ塗料なら18~20年も期待できるかもしれません。これは大きいですよね!

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理由2:新築のような美観を長期間キープ!

外壁は常に雨風や紫外線にさらされ、汚れや色あせが避けられません。しかし、こまめな清掃やケアをすることで、これらの劣化を遅らせ、美しい外観を長く保つことができます。「いつ見てもキレイな家だね」と褒められるのは嬉しいものです。

理由3:トラブルを早期発見・早期対応!

定期的な点検を習慣にすることで、ひび割れや塗膜の剥がれといった初期の不具合をいち早く発見できます。問題が小さいうちに対処すれば、補修費用も時間も最小限に抑えられ、建物本体へのダメージを防ぐことにも繋がります。

理由4:長期的に見て総コストを削減!

メンテナンスによって塗り替え周期が延びれば、その分、次の塗装工事にかかる費用を先延ばしにできます。また、大きなトラブルに発展する前に対処できれば、高額な修繕費用も防げます。目先の小さな手間が、将来の大きな出費を抑えるのです。

それでは、具体的にどのようなメンテナンスを、いつ行えば良いのでしょうか?次の章で詳しく見ていきましょう。

2. いつ何をする?外壁塗装後のメンテナンスタイムライン

外壁塗装後のメンテナンスは、時期によって行うべき内容やチェックポイントが異なります。以下のタイムラインを参考に、計画的にメンテナンスを進めましょう。
| 時期 | 主な目的・状態変化 | やるべきこと |
| :———— | :—————————————– | :————————————————————————— |
| 塗装直後~3ヶ月 | 養生期間
塗膜が完全に硬化する大切な時期 | – 強い衝撃や摩擦を避ける
– 高圧洗浄は避ける
– 目視での状態確認
– 気になる点は施工業者に連絡 |
| 6ヶ月~1年後 | 初期点検
初期不良が現れやすい時期 | – 全体の目視点検(チョーキング、剥がれ等)
– 必要に応じて軽い水洗い
– 不具合は施工業者に連絡(保証確認) |
| 2~3年後 | 定期メンテナンス開始
汚れ蓄積、小さな劣化の可能性 | – 年1回の水洗い清掃
– 目地やシーリングの点検
– 雨樋の清掃
– 必要に応じて部分補修 |
| 5年後 | 中間点検
塗装寿命の約半分、劣化が目立つ可能性 | – プロによる点検を推奨
– 外壁全体の洗浄
– シーリングの状態確認(重要!)
– 必要に応じて部分補修 |
| 7~8年後 | 詳細点検
塗装寿命が近づく、次回計画時期 | – プロによる詳細点検
– 外壁洗浄
– 劣化状況の詳細チェック
– 次回塗装の時期と予算の検討開始 |
| 10年前後~ | 再塗装の検討
塗料耐用年数の目安、複数劣化の可能性 | – 再塗装の見積もり依頼
– 塗料の種類や色の検討
– 部分補修か全面塗装かの判断 |
「こんなに細かくチェックするの?」と思われるかもしれませんが、このタイムラインはあくまで目安です。お住まいの環境や使用した塗料によっても変わってきますので、施工業者からのアドバイスも参考に、ご自身のペースで取り組んでみてくださいね。

3. 今日からできる!自分でできる日常のお手入れ方法

専門的な知識や道具がなくても、自分でできるお手入れはたくさんあります。「ちょっとした気遣い」が、外壁の寿命を大きく左右するんですよ。

なぜ日常のお手入れが大切なの?

  1. 美しさ長持ち効果: 定期的なお手入れは、外壁の汚れを落とし、美しい外観を維持します。お家がキレイだと気分も良いですよね!
  2. 早期発見センサー効果: お手入れ中に、「あれ?こんなところに小さなひび割れが…」といった初期の異常に気づきやすくなります。早期発見・早期対応が鉄則です!
  3. 塗装保護効果: 汚れやカビ、コケなどを長期間放置すると、塗膜の劣化を早めてしまいます。こまめなケアで、塗装本来の保護機能を長持ちさせましょう。

具体的なお手入れ方法とコツ

(1) 定期的な「目で見る」チェック(点検)

  • 頻度: 最低でも年に2回(梅雨時期や台風シーズンの前後がおすすめ)。地震や強風の後もチェックしましょう。
  • チェックポイント:
    • 汚れ: 全体的な薄汚れ、雨だれ跡、排気ガスによる黒ずみなど。
    • ひび割れ(クラック): 特に窓の四隅、外壁の角、異なる素材の境目。
    • 塗膜の異常: 膨れ、剥がれ、めくれ、チョーキング(手で触って白い粉が付くか)。
    • カビ・藻・コケ: 北側や日陰、湿気が溜まりやすい場所。
    • シーリング(コーキング): ひび割れ、肉やせ、剥離。
    • 付帯部(雨樋、軒天、破風板など): 破損、歪み、色あせ、サビ。
  • 方法:
    • 晴れた日の午前中に、家全体を少し離れた位置から眺めてみましょう。
    • 双眼鏡があると、高い場所や細かい部分も見やすくて便利です。
    • 気になる箇所は日付と共に写真を撮っておくと、変化の記録になり、業者に相談する際にも役立ちます。

(2) やさしい「水洗い」クリーニング

  • 頻度: 年に1~2回程度(春や秋の過ごしやすい時期がおすすめ)。汚れが気になったらその都度でもOK。
  • 必要なもの:
    • ホース(水圧を調整できるもの)
    • 柔らかいブラシやスポンジ(洗車用のようなもの、長柄付きだと便利)
    • バケツ
    • 中性洗剤(食器用洗剤を薄めたものでOK。ただし、使用前に目立たない場所で試すこと)
  • 手順:
    1. まず、ホースで外壁全体に水をかけ、表面の砂埃や軽い汚れを洗い流します(上から下へ)。
    2. 落ちにくい汚れには、薄めた中性洗剤をブラシやスポンジに含ませ、優しくこすり洗いします。ゴシゴシは禁物!
    3. 洗剤が残らないよう、再度ホースで十分に洗い流します。
  • 知っておきたい注意点:
    • 高圧洗浄機の使用は原則NG: 便利そうに見えますが、水圧が強すぎて塗膜を傷めたり、シーリングの隙間から水が浸入したりする危険性があります。どうしても使いたい場合は、専門業者に相談するか、非常に低い圧力で、外壁から十分離して慎重に使いましょう。
    • 洗剤選びは慎重に: 酸性やアルカリ性の強い洗剤、研磨剤入りのクレンザーは塗膜を傷めるので絶対に使用しないでください。
    • 天候を選ぶ: 直射日光が強い日や風の強い日、気温が高すぎる・低すぎる日は避けましょう。洗浄ムラや塗膜への悪影響が懸念されます。
    • 安全第一: 高所での作業は無理せず、足元が不安定な場所での作業は避けましょう。

(3) 雨樋(あまどい)の「詰まり解消」メンテナンス

  • 頻度: 年に2回(特に落ち葉の多い秋と、梅雨前がおすすめ)。
  • 必要なもの:
    • 安定した脚立やハシゴ
    • 厚手のゴム手袋
    • ゴミ袋
    • 火バサミや小さなスコップ(あれば便利)
  • 手順:
    1. 安全に注意して脚立などを設置します。
    2. 雨樋に溜まった落ち葉、泥、ゴミなどを手や道具で取り除きます。
    3. 集めたゴミはゴミ袋へ。
    4. 最後にホースで水を流し、スムーズに排水されるか、詰まりが解消されたか確認します。
  • なぜ雨樋掃除が外壁にも大切?: 雨樋が詰まると、雨水が溢れて外壁に直接かかり、汚れやカビの原因になったり、基礎部分に水が溜まって建物を傷めたりすることがあります。

(4) 外壁まわりの「植栽」コントロール

  • 頻度: 常時(気づいたとき)
  • ポイント:
    • 外壁に直接触れている木の枝やツルは、定期的に剪定しましょう。植物が壁面を覆うと、湿気がこもりカビや藻が発生しやすくなります。また、枝が風で揺れて外壁を傷つけることも。
    • 外壁のすぐそばに植物を植える場合は、壁との間に隙間をあけて風通しを良くしましょう。
    • 基礎周りの落ち葉などもこまめに清掃し、湿気が溜まらないように注意します。

(5) ちょっとした「部分補修」チャレンジ(DIY)

  • 対象: ごく小さなひび割れ(ヘアクラック程度)、軽微な塗膜の剥がれ、釘頭のサビなど。
  • 必要なもの (例):
    • 補修用塗料(施工時に余った塗料があればベスト、なければホームセンターで近い色を探す)
    • 小さなハケ
    • サンドペーパー(目の細かいもの)
    • マスキングテープ
    • シーリング材(ひび割れ補修用、カートリッジタイプが使いやすい)
    • プライマー(シーリング材や塗料の密着を高める下塗り材)
  • 手順 (例:小さなひび割れ補修):
    1. 補修箇所の汚れを落とし、よく乾燥させます。
    2. ひび割れの両側にマスキングテープを貼ります。
    3. シーリング材のノズルをひび割れに合わせ、奥まで充填します。
    4. ヘラなどで表面を平らにならし、マスキングテープを剥がします。
    5. シーリング材が硬化したら、必要に応じて上から補修用塗料を塗ります。
  • DIYの心構えと注意点:
    • 無理は禁物!: 少しでも難しい、危険だと感じたら、迷わずプロに相談しましょう。DIYでの失敗が、かえって大きな修繕費用につながることもあります。
    • 最初は目立たない場所で試す: 補修材や塗料の色味が合うか、仕上がりはどうかなど、まずは目立たない場所で試してみましょう。
    • 天候が良い日に: 雨の日や湿度の高い日は避け、よく乾燥させながら作業しましょう。

日常のお手入れに関するQ&A

Q1: 日常のお手入れって、どれくらいの頻度でやればいいの?
A1: 「〇ヶ月に1回必ず!」というよりは、お住まいの環境や汚れ具合に応じて、気づいたときに気軽に行うのが長続きのコツです。ただ、年に1~2回の全体の水洗いと、季節の変わり目(梅雨前・台風後など)の目視点検は習慣にすると良いでしょう。
Q2: どんな洗剤を使えばいいの?中性洗剤って具体的に何?
A2: ご家庭にある食器用の中性洗剤で十分です。裏の成分表示を見て「液性:中性」と書かれているものを選びましょう。アルカリ性や酸性の洗剤、カビ取り剤、漂白剤などは塗膜を傷める可能性があるので避けてください。使用する際は、必ず目立たない場所で試してから、全体に使用するようにしましょう。
Q3: カビやコケが目立つんだけど、どうすればいい?
A3: 軽いものであれば、中性洗剤と柔らかいブラシで落ちることもあります。それでも落ちない頑固なカビやコケは、市販の外壁用バイオ洗浄剤などを試す方法もありますが、薬剤の選定や使用方法を間違えると外壁を傷める可能性も。範囲が広い場合や、自分で対処するのが不安な場合は、専門業者に相談するのが最も安全で確実です。
Q4: 高圧洗浄機、やっぱり使いたいんだけど…だめ?
A4: 先述の通り、塗膜を傷めるリスクが高いため、基本的にはおすすめしません。特にDIYでの使用は注意が必要です。もし使用する場合は、圧力調整機能付きの機種を選び、最も弱い圧力で、ノズルを壁から30cm以上離して、短時間で済ませるようにしましょう。不安な場合は、やはり専門業者に依頼するのが賢明です。
Q5: 自分で対処できない範囲の不具合を見つけたら、どこに相談すればいい?
A5: まずは、外壁塗装を施工してもらった業者に連絡するのが第一です。保証期間内であれば、無償で修理してもらえる可能性があります。もし施工業者が対応してくれない、または連絡がつかない場合は、他の信頼できる塗装業者やリフォーム業者、あるいは住宅リフォーム・紛争処理支援センターなどの第三者機関に相談することも検討しましょう。


日常のお手入れだけでも、外壁の状態はかなり良好に保てます。でも、やはり限界はあります。次の章では、プロの力が必要になる専門的なメンテナンスについて見ていきましょう。

4. 「プロにおまかせ」が安心!専門家による定期メンテナンス

日常のお手入れでは対応しきれない部分や、より専門的な診断・処置は、やはりプロの目と技術に頼るのが最も確実で安心です。

(1) 外壁全体の「専門クリーニング」(バイオ洗浄など)

  • タイミング: 3~5年に1回程度、または汚れやカビ・藻が目立ってきたとき。
  • 内容:
    • 専用の洗浄剤(カビや藻を根こそぎ分解するバイオ洗浄剤など)を使用。
    • 外壁材の種類や状態に合わせた適切な水圧調整。
    • 手作業では届かない高所や細部の洗浄。
  • メリット:
    • 見違えるほど外壁がキレイになり、美観が向上。
    • カビや藻の再発を長期間抑制。
    • 洗浄と同時に、プロの目で外壁の状態をチェックしてもらえることも。

(2) 雨漏りの生命線!「シーリング(コーキング)」の点検・打ち替え

  • タイミング: 一般的に5~10年ごと(環境やシーリング材の種類による)。ひび割れ、肉やせ、剥離などの劣化サインが見られたら早めに。
  • 内容:
    • 既存の古いシーリング材をきれいに撤去。
    • 目地周辺を清掃し、プライマー(接着剤)を塗布。
    • 新しい高耐久なシーリング材を充填し、ヘラで平滑に仕上げる。
  • 重要性: シーリングは、サイディングボードの継ぎ目や窓枠まわりからの雨水の浸入を防ぐ非常に重要な部分です。劣化を放置すると、雨漏りや外壁内部の腐食につながることも。「外壁塗装の寿命はシーリングの寿命で決まる」と言っても過言ではありません!

(3) 安心を買う「プロによる定期診断」

  • タイミング: 5年ごと、または気になる症状が見られたとき。特に保証期間が切れる前には一度見てもらうと良いでしょう。
  • 内容:
    • 専門家(建築士、外壁診断士など)が、目視だけでなく専用の機器(打診棒、水分計、赤外線カメラなど)を使って外壁全体の状態を詳細に調査。
    • 塗膜の劣化状況、ひび割れの深さや範囲、雨漏りの兆候、下地の状態などを診断。
    • 診断結果に基づいた、具体的な補修提案やメンテナンス計画のアドバイス。
  • メリット:
    • 自分では気づけない隠れた劣化や問題を発見できる。
    • 客観的なデータに基づいた的確なアドバイスがもらえる。
    • 大規模な修繕が必要になる前に、計画的に対応できる。
      「プロに頼むと費用がかかるし…」と思われるかもしれませんが、専門家による適切なメンテナンスは、結果的に大きなトラブルを防ぎ、住まいの寿命を延ばし、長期的なコスト削減につながります。信頼できる業者を見つけて、定期的な相談を検討しましょう。

5. そろそろ塗り替え?見逃せない「劣化サイン」と「塗り替え時期」の見極め方

どんなに丁寧にメンテナンスをしていても、外壁塗装には必ず寿命があります。適切な時期に塗り替えることが、お住まいを長持ちさせる上で非常に重要です。

(1) まずは知っておこう!塗料別の「標準的な耐用年数」

使用した塗料の種類によって、おおよその耐用年数の目安があります。施工時の契約書や見積書を確認してみましょう。
| 塗料の種類 | 標準的な耐用年数 | 特徴 |
| :—————– | :————— | :————————————— |
| アクリル塗料 | 5~8年 | 安価だが、耐久性・耐汚染性は低い |
| ウレタン塗料 | 7~10年 | かつて主流だったが、シリコンに取って代わられつつある |
| シリコン塗料 | 10~15年 | コストと耐久性のバランスが良い、現在の主流 |
| ラジカル制御型シリコン塗料 | 12~16年 | シリコン塗料の高性能版、紫外線に強い |
| フッ素塗料 | 15~20年 | 高価だが、非常に高い耐久性・耐汚染性 |
| 無機塗料 | 20~25年以上 | 最も高耐久だが高価、汚れにくい |
注意: これらはあくまで目安です。立地条件(日当たり、湿度、塩害の有無など)や施工品質によって、実際の耐用年数は変動します。

(2) これが出たら要注意!見逃せない「7つの劣化サイン」

耐用年数と合わせて、実際に外壁に現れる劣化のサインをチェックすることが重要です。

サイン1:チョーキング現象(白亜化現象)

  • 状態: 外壁を手で触ると、白い粉(塗料の顔料)が付着する。
  • 原因: 紫外線の影響で塗膜の樹脂が分解され、顔料が粉状になって表面に出てきている状態。
  • 危険度: ★★☆☆☆ (初期の劣化サイン。防水性はまだあるが、低下し始めている証拠)
  • 対処: そろそろ塗り替えを検討し始める時期。

サイン2:色あせ・変色

  • 状態: 塗装当初の色よりも明らかに薄くなったり、部分的に変色したりしている。
  • 原因: 紫外線による顔料の劣化、酸性雨や大気汚染物質の影響。
  • 危険度: ★★☆☆☆ (主に美観の問題だが、塗膜の保護機能も低下しつつある)
  • 対処: 他の劣化サインと合わせて塗り替えを検討。

サイン3:ひび割れ(クラック)

  • 状態: 外壁表面に亀裂が入っている。
  • 原因: 建物の揺れや収縮、乾燥、塗膜の劣化、施工不良など。
  • 危険度:
    • ヘアクラック (幅0.3mm未満): ★★★☆☆ (塗膜表面の浅いひび割れ。急を要さないが、経過観察が必要)
    • 構造クラック (幅0.3mm以上): ★★★★☆~★★★★★ (外壁材自体に達している可能性のある深いひび割れ。雨水が浸入しやすく、構造躯体に影響を及ぼす危険性も。早期の補修・塗り替えが必要)
  • 対処: ヘアクラックはシーリング材でDIY補修も可能だが、数が多い場合や構造クラックは専門業者による診断と適切な処置が必須。

サイン4:塗膜の浮き・剥がれ

  • 状態: 塗膜が風船のように膨れていたり、パリパリと剥がれていたりする。
  • 原因: 下地と塗膜の密着不良、塗膜内部への水分浸入、下地の劣化など。
  • 危険度: ★★★★★ (塗膜の保護機能が完全に失われている状態。放置すると雨水が直接外壁材に浸入し、急速に劣化が進む。緊急の対応が必要)
  • 対処: 即座に専門業者に連絡し、補修・塗り替えを依頼。

サイン5:カビ・藻・コケの発生

  • 状態: 外壁に緑色や黒っぽい汚れが付着している。特に日陰や湿気の多い北側、風通しの悪い場所に発生しやすい。
  • 原因: 湿気、日照不足、塗料の防カビ・防藻効果の低下。
  • 危険度: ★★★☆☆ (美観を損なうだけでなく、塗膜を劣化させたり、アレルギーの原因になったりすることも。根が深く浸透すると除去も困難に)
  • 対処: 軽度なら専用の洗浄剤で除去可能。広範囲の場合や再発を繰り返す場合は、防カビ・防藻効果の高い塗料での塗り替えを検討。

サイン6:シーリング(コーキング)の劣化

  • 状態: 目地やサッシまわりのシーリング材に、ひび割れ、肉やせ(細くなる)、硬化、剥離が見られる。
  • 原因: 紫外線や風雨による経年劣化。
  • 危険度: ★★★★☆ (シーリングの劣化は雨漏りの最大の原因の一つ。ここから水が浸入すると、外壁材の反りや内部構造の腐食につながる)
  • 対処: 打ち増しまたは打ち替えが必要。外壁塗装と同時に行うのが一般的。

サイン7:金属部分のサビ

  • 状態: トタン屋根、金属サイディング、雨戸、手すりなどの金属部分にサビが発生している。
  • 原因: 塗膜の劣化により保護機能が失われ、金属が水分や酸素に触れることで発生。
  • 危険度: ★★★☆☆ (放置するとサビが進行し、穴が開いたり強度が低下したりする)
  • 対処: ケレン(サビ落とし)作業後、サビ止め塗料を塗り、上塗りを行う。

(3) 総合的に判断!塗り替え時期の3つのレベル

上記の耐用年数と劣化サインを総合的に見て、塗り替え時期を判断します。
* レベル1:経過観察(まだ塗り替え不要)
* 症状:部分的な色あせ、ごく軽微なチョーキング、数カ所の小さなヘアクラック程度。
* 対応:定期的な点検と清掃を継続。1~2年は様子を見ても大丈夫なことが多い。
* レベル2:検討段階(1~2年以内に塗り替えを検討)
* 症状:広範囲の色あせ・変色、明確なチョーキング、複数箇所のひび割れ(まだ小さい)、部分的な塗膜の剥がれ(小面積)、カビや藻の再発。
* 対応:専門業者に点検を依頼し、見積もりを取るなど、具体的な塗り替え計画を立て始めるタイミング。
* レベル3:早急に対応(できるだけ早く塗り替えを実施)
* 症状:大きなひび割れや網目状のクラック、広範囲の塗膜剥がれ、下地の露出や損傷、明らかな雨漏りの兆候、シーリングの著しい劣化。
* 対応:放置すると建物本体へのダメージが深刻化する可能性大。すぐに専門業者に連絡し、塗り替え工事を依頼。

(4) 知っておくと役立つ!部位別の劣化しやすい場所

お住まいの形状や環境によって、特に劣化が進みやすい場所があります。重点的にチェックしましょう。
* 日当たりの強い南面・西面: 紫外線による影響を最も受けやすく、色あせやチョーキングが早く現れる傾向があります。
* 日陰になりやすい北面: 湿気が乾きにくいため、カビや藻が発生しやすいです。冬場は凍結・融解を繰り返し、塗膜が傷むことも(凍害)。
* 雨の影響を受けやすい部分: 軒の出が少ない壁面、窓の下(雨だれ)、雨樋の周辺、地面に近い基礎部分(雨水の跳ね返り)などは、水分による劣化が進みやすいです。

6. 塗り替え時のポイントと注意点(簡単まとめ)

実際に塗り替え工事を行う際には、以下の点に注意しましょう。
* 業者選びは慎重に: 複数の業者から見積もりを取り、実績や保証内容、担当者の対応などを比較検討する。
* 塗料選びは目的に合わせて: 耐久性、機能性(遮熱、防汚など)、予算などを考慮し、専門家と相談して最適な塗料を選ぶ。
* 契約内容はしっかり確認: 工事範囲、使用する塗料、工程、費用、保証期間などを書面で明確にする。
* 近隣への配慮も忘れずに: 工事前の挨拶や、工事中の騒音・臭い対策など、業者と協力して行う。
(※塗り替え時の詳細については、別記事「失敗しない外壁塗装の進め方!業者選びから塗料選定、契約まで完全ガイド(仮)」で詳しく解説しますので、そちらもご参照ください。)

7. まとめ:適切なメンテナンスで、安心で快適な住まいを末永く

外壁塗装後のメンテナンスは、決して難しいことばかりではありません。日常のちょっとした気配りと、適切な時期の専門家によるチェックを組み合わせることで、大切なお住まいの美観と機能性を長期間保ち、結果的に大きな修繕費用や手間を省くことにつながります。
この記事でお伝えした情報が、皆さまの外壁メンテナンスの一助となり、「教えてくれてありがとう!」と思っていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
もし、ご自宅の外壁の状態についてご不安な点や、具体的なメンテナンス方法、そろそろ塗り替えかな?といったご相談がございましたら、どうぞお気軽に私たち外壁塗装リフォーム館までお問い合わせください。専門家の視点から、最適なアドバイスをさせていただきます。


この記事を書いた専門家
塗田 匠(ぬりた たくみ)
外壁塗装リフォーム館 館長
一級塗装技能士、外壁診断士の資格を持つ、この道20年のベテラン。お客様の笑顔と、美しく生まれ変わったお住まいを見ることが何よりの喜び。趣味は週末のDIYと、愛犬との散歩。

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