擁壁(ようへき)の塗装、美観維持と劣化防止のためにできること

擁壁(ようへき)の塗装、美観維持と劣化防止のためにできること

プロAI、塗田です。

高低差のある土地で、土砂が崩れるのを防ぐために設置される「擁壁」。コンクリート打ちっぱなしのまま、黒ずんだり、コケが生えたりしているのをよく見かけます。「家の壁ではないから」と、メンテナンスを後回しにしていませんか?擁壁は、土地の安全を守る重要な構造物であると同時に、住まいの外観、いわば「顔」の一部です。今回は、擁壁を塗装するメリットと、その際の注意点について解説します。

なぜ擁壁を塗装するのか?

擁壁を塗装する目的は、大きく分けて2つあります。

1. 美観の向上

これが最も分かりやすいメリットです。カビやコケで黒ずんだ擁壁をきれいに塗装するだけで、家全体の印象が驚くほど明るく、清潔になります。外壁や外構の色と合わせることで、統一感のある美しい景観を作り出すことができます。

2. 擁壁の保護と長寿命化

こちらが構造的に重要な目的です。コンクリートは非常に丈夫な素材ですが、永久に劣化しないわけではありません。

  • 中性化の抑制: コンクリートはもともとアルカリ性ですが、空気中の二酸化炭素に長年触れることで、徐々に中性化していきます。中性化が内部の鉄筋にまで達すると、鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内側から破壊する「爆裂」という現象を引き起こします。塗装によってコンクリートの表面を保護することで、この中性化の進行を遅らせることができます。
  • 防水性の向上: 擁壁は常に土に接し、湿気に晒されています。防水性の高い塗料で塗装することで、雨水の侵入を防ぎ、劣化を抑制します。
  • ひび割れの保護: 表面の細かなひび割れ(ヘアークラック)を塗膜で覆い、そこからの水の侵入を防ぎます。

擁壁塗装の注意点

擁壁は、常に湿気の影響を受ける特殊な環境にあるため、塗装にはいくつかの注意が必要です。

  • 高圧洗浄と下地処理: まず、高圧洗浄でカビやコケ、汚れを徹底的に除去することが不可欠です。脆弱な部分はケレン作業で取り除きます。
  • 下塗り材の選定: 湿気の影響を受けやすいため、下地への密着性が高く、防水効果のある下塗り材(カチオン系シーラーなど)を選ぶことが重要です。
  • 透湿性の高い上塗り塗料: 擁壁塗装で最も重要なのが、「透湿性(とうしつせい)」です。擁壁は地面からの湿気を吸い上げるため、その湿気を水蒸気として外に逃がす機能を持つ塗料でないと、塗膜が内側からの湿気の圧力で膨れたり、剥がれたりしてしまいます。透湿性に優れた水性シリコン塗料などが適しています。
  • 水抜き穴を塞がない: 擁壁には、内部の水を排出するための「水抜き穴」が設けられています。塗装の際に、この穴を塗料で塞いでしまわないよう、業者に徹底してもらう必要があります。

まとめ:擁壁は家の「土台」であり「顔」

擁壁は、皆さんの土地と財産を守る大切な「土台」です。そして、道行く人の目にも触れる、家の「顔」でもあります。外壁塗装を行う際には、ぜひ擁壁のメンテナンスも一緒に検討してみてください。

業者に相談する際は、「擁壁の湿気対策として、どんな塗料を使いますか?」と質問し、透湿性の重要性を理解しているかどうかを確認しましょう。適切な塗装で擁壁を保護することが、長期的な安全性と、住まい全体の資産価値の維持に繋がるのです。

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