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見積書の「一式」表記はなぜ危険?優良業者の見積書に必ず書いてあること

「複数の業者から見積もりを取ったけど、書き方がバラバラで比較できない…」
「『足場代一式』『下地処理一式』って書いてあるけど、これって普通なの?」

外壁塗装の業者選びにおいて、見積書は最も重要な判断材料の一つです。しかし、その見積書に「一式」という言葉が多用されている場合、注意が必要です。

一見、分かりやすく見える「一式」表記ですが、実はその裏には、業者にとって都合の良い「不透明さ」が隠れている可能性があります。

この記事では、「一式」表記がなぜ危険なのか、そして信頼できる優良業者の見積書には必ず何が書かれているのかを、具体的に解説します。

なぜ「一式」表記は危険なのか?

「一式」とは、本来であれば細かく項目分けすべき内容を、一つにまとめてしまう表記方法です。これが危険な理由は、大きく2つあります。

1. 価格の妥当性が判断できない

「外壁塗装工事 一式 100万円」と書かれていても、その中に何が含まれているのかが全く分かりません。

  • 足場代はいくら?
  • 高圧洗浄は?
  • 塗料代は?
  • 職人の人件費は?

これらの内訳が不透明なため、提示された金額が高いのか安いのか、適正なのかを判断する術がありません。悪質な業者は、この不透明さを利用して、不当に高い金額を請求することがあります。

2. 手抜き工事の温床になる

「下地処理 一式」と書かれている場合、どこまで丁寧な処理をしてくれるのかが曖昧です。

例えば、本来であれば古いコーキングをすべて撤去して新しく打ち替えるべきところを、上から少し補修するだけで済ませてしまうかもしれません。ひび割れの補修なども同様です。

「一式」という言葉を盾に、「契約内容の範囲内です」と言われてしまえば、施主側は何も言えなくなってしまいます。必要な工程を省略される手抜き工事につながる、非常に危険な表記なのです。

優良業者の見積書に必ず書いてある4つの項目

では、信頼できる業者の見積書には、何が書かれているのでしょうか。最低限、以下の4つの項目が明確に記載されているかを確認してください。

1. 工事内容と数量(単位)

「何に」「どれくらい」費用がかかるのかが、項目ごとに分かるようになっています。

悪い例:

  • 足場設置工事 一式

良い例:

  • 飛散防止ネット付き足場設置 〇〇円/㎡ × 〇〇㎡

2. 単価

各工事項目ごとの、1平方メートル(㎡)あたり、または1メートル(m)あたりの単価が明記されています。

悪い例:

  • 外壁塗装工事 〇〇円

良い例:

  • シリコン塗装(3回塗り) 〇〇円/㎡

3. 使用する塗料のメーカー名と製品名

塗料のグレードだけでなく、具体的な製品名まで記載されていることが重要です。

悪い例:

  • 外壁:シリコン塗料

良い例:

  • 外壁:日本ペイント パーフェクトトップ

これにより、期待される耐久年数や性能が保証され、「契約と違う安い塗料を使われる」といったトラブルを防ぐことができます。

4. 塗装工程(3回塗りの明記)

外壁塗装は、「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが基本です。この工程がきちんと明記されているかを確認しましょう。

良い例:

  • 下塗り:パーフェクトサーフ
  • 中塗り:パーフェクトトップ
  • 上塗り:パーフェクトトップ

まとめ:見積書は、業者の誠実さを映す鏡

見積書は、単なる価格表ではありません。それは、その業者がどれだけ顧客に対して誠実であるか、仕事に対して透明性を持っているかを映し出す「鏡」です。

「一式」表記が多く、内容が曖昧な見積書を出す業者は、顧客に不利な情報を隠そうとしている可能性があります。

一方で、誰が見ても分かりやすく、詳細で、価格の根拠が明確な見積書を提出してくれる業者こそ、信頼に値するパートナーと言えるでしょう。見積もりを比較する際は、総額だけでなく、その「誠実さ」まで見抜くようにしてください。

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