“足場代が無料”は危険なサイン? 絶対に失敗しない外壁塗装の業者選びと、悪徳業者を見抜く7つのポイント

お客様からのご相談

【東京都練馬区・A.T様(40代・ご夫婦)】

はじめまして。我が家も築13年になり、ハウスメーカーの点検で「そろそろ外壁塗装を」と言われ、検討を始めたところです。ですが、塗装の知識が全くなく、どこに頼めばいいのか途方に暮れています。

ポストには毎日のように塗装業者のチラシが入っていますし、先日ついに訪問販売の業者さんが来たんです。「近所で工事をしている者ですが」と始まり、「お宅の屋根、あそこ、かなり傷んでますよ。このままだと雨漏りします。今ならキャンペーン中で、この足場代が無料になるんです!」と、半ば強引に話を進められて…。すごく不安な気持ちになりました。

慌ててインターネットで調べ始めましたが、「悪徳業者に騙された」「手抜き工事をされた」といった怖い体験談ばかりが目について、どんどん疑心暗鬼になっています。

大手のリフォーム会社は安心そうだけど高そうだし、地元の塗装店は値段は手頃かもしれないけど、腕が良いのかどうか分かりません。「安かろう悪かろう」で後悔するのは絶対に嫌ですが、だからといって、言われるがままに高額な契約をするのも避けたいです。

「適正な価格」で、「誠実な工事」をしてくれる。そんな当たり前の業者さんを、私たちのような素人は、どうやって見つければ良いのでしょうか。失敗しないための「これだけは押さえておくべき!」という、業者選びの絶対的な基準を教えてください。

AI館長・塗田がお答えします!

A.T様、はじめまして!外壁塗装リフォーム館のAI館長・塗田です。初めての外壁塗装、ご検討おめでとうございます。…と同時に、情報が溢れすぎていて、何から手をつけて良いのか、誰を信じて良いのか、不安でいっぱいになってしまいますよね。

特に、突然の訪問販売で不安を煽られるような経験をされると、「塗装業界って、なんだか怖い…」と感じてしまうのも無理はありません。A.T様のように真面目に考えれば考えるほど、疑心暗鬼になってしまうお気持ち、痛いほどよく分かります。

ですが、ご安心ください。ほとんどの塗装業者は、誠実に仕事をしているプロ集団です。そして、ほんの一部の悪徳業者を見抜くための「物差し」は、ちゃんと存在するのです。

断言します。外壁塗装の成功の9割は、工事が始まる前、つまり「契約前の業者選び」で決まります。

今日は、A.T様の不安を自信に変えるための「業者選びの羅針盤」となる、具体的な方法をお教えしますね。


まずは見極めたい!「訪問販売」の危険なセールストーク

まず、A.T様が遭遇された訪問販売についてです。結論から言うと、「今すぐ」「その場で」契約を迫るような業者とは、たとえどんなに魅力的な条件を提示されても、距離を置くのが賢明です。

彼らが使う常套句には、冷静な判断力を失わせるための“罠”が隠されています。

  • 「キャンペーンで足場代を無料にします」これが最も多い手口です。しかし、考えてみてください。職人さんが安全に作業するための足場は、設置にも解体にも数十万円の費用がかかる重要な工事です。これがタダになることは絶対にありえません。無料になったように見える分は、塗料代や人件費など、見積書の他の項目に巧妙に上乗せされているだけです。例えるなら、「ドリンク1杯無料キャンペーン!」と謳っているけれど、よく見るとコース料理の値段が他のお店より数千円高いレストランのようなものです。「無料」という言葉は、一度冷静になるための“危険なサイン”と捉えましょう。
  • 「このままだと大変なことになりますよ」必要以上に不安を煽り、「早くしないと手遅れになる」と思わせて、考える時間を与えずに契約を迫る手口です。
  • 「本日中に契約していただけるなら、〇〇万円値引きします」これも、他社との比較、つまり**「相見積もり」**をさせないための典型的なトークです。本当に良い工事を適正価格で提供している業者なら、他社と比較されることを恐れる必要はありません。

大手と地元業者、どっちがいい?それぞれのメリット・デメリット

では、どこに頼むのが良いのか。多くの方が悩むのが「大手リフォーム会社」と「地元の塗装専門店」の比較です。それぞれに良い点、注意すべき点があります。

  • 大手リフォーム会社
    • メリット: 全国的な知名度による安心感、手厚い保証制度、品質管理のマニュアル化。
    • デメリット: 価格は高くなる傾向があります。なぜなら、実際の工事は下請けの塗装店が行うことが多く、その中間マージンや広告宣伝費が価格に反映されるためです。
  • 地元の塗装専門店
    • メリット: ショールームや営業マンを持たない分、価格が比較的安い傾向にあります(直接施工)。地域での評判を何より大切にするため、丁寧な仕事が期待できます。
    • デメリット: 業者ごとの技術力や経営状態の差が大きく、良い業者を見つけるのが難しい側面も。保証体制も会社によって様々です。

どちらが良いと一概には言えません。大切なのは「会社の規模」で選ぶのではなく、次に紹介する**「優良業者かどうかを見抜くポイント」**を、その会社がクリアしているかどうかで判断することなのです。


これが答えです!優良業者を見抜く「7つのチェックポイント」

お待たせいたしました。A.T様のような知識ゼロの方でも、悪徳業者や質の低い業者を確実に見抜くことができる、「7つのチェックポイント」です。見積もりを依頼する際に、ぜひこのリストを片手に業者さんとお話ししてみてください。

  1. ✅ 「建設業許可」や「塗装技能士」の資格を持っていますか?500万円以上の塗装工事を請け負うには「建設業許可」が必要です。また、職人さんが「一級塗装技能士」などの国家資格を持っているかは、技術力の分かりやすい指標になります。プロとしての最低限の証明書を、きちんと提示してくれるか確認しましょう。
  2. ✅ 見積書の内訳が“異常なほど”細かいですか?「外壁塗装工事 一式 〇〇円」という大雑把な見積書は論外です。「塗料名(メーカーと製品名)」「塗装面積(㎡)」「単価」「工程(下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本)」などが、素人でも分かるように詳細に記載されているか。細かい見積もりは、誠実さの証です。
  3. ✅ 工程ごとの「写真報告」を約束してくれますか?外壁塗装で最も手抜きが起きやすいのが、見えなくなる中塗りを省くなどの「工程」です。工事の各段階で写真を撮り、完了後に報告してくれることを約束してくれる業者は、仕事に自信と誠意がある証拠です。
  4. ✅ 塗料のメリットだけでなく、デメリットも正直に話してくれますか?どんなに高価な塗料にも、メリットとデメリットがあります。「この塗料は完璧です!」と良いことばかりを並べるのではなく、「この塗料は汚れは付きにくいですが、少し価格が高いです」というように、正直に両面を説明してくれる担当者は信頼できます。
  5. ✅ 地元での施工実績が豊富で、その現場を見せてくれますか?「口先だけ」でないことの何よりの証明は、過去の仕事です。プライバシーに配慮した上で、現在施工中の現場や、過去に塗装したお宅を教えてくれる業者は、地域で信頼されている証です。
  6. ✅ 保証内容が具体的ですか?(「自社保証」と「メーカー保証」)「最長〇〇年保証!」という言葉だけでなく、保証書がきちんと発行されるか、どんな場合に保証が適用されるのかを具体的に確認しましょう。さらに、「メーカーの製品保証」についても説明できる業者は、塗料の知識も豊富で信頼性が高いです。
  7. ✅ 「相見積もり、歓迎です」と笑顔で言ってくれますか?信頼できる業者は、他社と比較されることを恐れません。「ぜひ他社さんの見積もりも見て、じっくりご検討ください」と快く言ってくれるのは、自社の仕事内容と価格設定に自信がある何よりの証拠です。

不安を自信に変えて、「家の主治医」探しを

A.T様、これらのチェックポイント、いかがでしたでしょうか。

業者選びは、相手を疑ってテストするような堅苦しいものではありません。これから10年以上、大切なお住まいの健康を任せられる**「家の主治医」を探す**、とても前向きで大切な活動なのです。

この7つの羅針盤があれば、もう情報の洪水に惑わされることはありません。自信を持って、いくつかの業者さんとお話ししてみてください。その誠実な対応や、プロとしての知識に触れるうちに、きっと「この人になら任せられる!」と思える、最高のパートナーに巡り会えるはずです。

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