足場代は本当に無料になる?「足場代半額キャンペーン」の裏側

足場代は本当に無料になる?「足場代半額キャンペーン」の裏側

「今ならキャンペーン中!足場代を無料にしますよ!」
「近隣で工事中なので、特別に足場代を半額でご提供します」

外壁塗装の見積もりを取る中で、こんな魅力的な言葉をかけられたことはありませんか?

外壁塗装の費用の中でも大きな割合を占める「足場代」。これが無料や半額になるなら、とてもお得に感じますよね。しかし、その言葉を鵜呑みにする前によく考えてみてください。本当にそんな「うまい話」はあるのでしょうか?

この記事では、「足場代無料」のからくりと、その言葉に潜むリスクについて解説します。

そもそも足場代とは?なぜ必要なのか?

足場は、外壁塗装工事において、以下の3つの非常に重要な役割を担っています。

  1. 職人の安全確保:
    高所での作業を安全に行うために、足場は法律で設置が義務付けられています。職人の命を守る、最も重要な設備です。
  2. 作業品質の向上:
    安定した足場があることで、職人は両手を自由に使うことができ、塗装作業に集中できます。これにより、塗りムラのない、高品質な仕上がりにつながります。
  3. 近隣への配慮(飛散防止):
    足場の周りには、塗料や洗浄水が近隣に飛び散るのを防ぐための「飛散防止ネット(養生シート)」が張られます。これも、トラブルなく工事を進めるために不可欠です。

このように、足場は高品質で安全な工事を行うための「必要経費」であり、決して省略できるものではありません。一般的な30坪程度の住宅でも、足場代は15万円〜20万円ほどかかるのが相場です。

「足場代無料」のからくり

では、なぜ業者は「無料」を謳うことができるのでしょうか。ボランティアで足場を組んでくれるわけではありません。そこには、必ず理由があります。

からくり1:他の項目に上乗せされている

最も一般的なケースがこれです。見積書の上では「足場代 0円」となっていても、その費用が塗料代や工事費(人件費)といった他の項目に巧妙に上乗せされているのです。

例えば、本来80万円が適正価格の工事を、

  • A社(正直な業者):
    • 工事費:60万円
    • 足場代:20万円
    • 合計:80万円
  • B社(「無料」を謳う業者):
    • 工事費:80万円
    • 足場代:0円(キャンペーン!)
    • 合計:80万円

というように見せかけているのです。結局、支払う総額は同じ。それどころか、本来の適正価格以上を請求されているケースすらあります。

からくり2:契約を急がせるための営業トーク

「このキャンペーンは今日までです」
「今、契約してくれないと無料にはできません」

このように、足場代無料をエサにして、顧客に冷静な判断をさせず、その場で契約を迫るための営業テクニックとして使われることも非常に多いです。他社と比較される前に契約を結んでしまいたい、という心理の表れです。

「足場代無料」が危険な理由

「結局、総額が同じならいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、「足場代無料」を安易に謳う業者には、以下のようなリスクが潜んでいます。

  • 価格の内訳が不透明:
    本来かかるはずの費用を「無料」と偽る時点で、その業者の見積もりは不誠実と言えます。どこに何の費用がかかっているのかが曖昧になり、適正価格なのか判断できません。
  • 手抜き工事の可能性:
    本当に足場代をサービスして利益を削っている場合、そのしわ寄せはどこにいくでしょうか?人件費を削る(未熟な職人を使う)、塗料を薄める、乾燥時間を守らないといった、見えない部分での手抜き工事につながる危険性があります。

まとめ:「無料」より「適正価格」を説明できる業者を選ぼう

高品質な外壁塗装に、足場は不可欠です。そして、それには必ず適正な費用がかかります。

「足場代無料」という甘い言葉に惑わされてはいけません。重要なのは、総額の安さではなく、

「なぜこの金額になるのか、足場代を含めたすべての費用の内訳と根拠を、きちんと丁寧に説明してくれるか」

という点です。

誠実な業者ほど、「足場は安全と品質のために絶対に必要なもので、これくらいの費用がかかります」と正直に説明してくれるはずです。その上で、全体の費用について相談に乗ってくれる業者こそ、本当に信頼できるパートナーと言えるでしょう。

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