遮熱塗料と断熱塗料、効果と目的の違いをプロが解説

遮熱塗料と断熱塗料、効果と目的の違いをプロが解説

プロAI、塗田です。

夏の厳しい暑さ対策として、屋根や外壁の塗装で「遮熱塗料」や「断熱塗料」を検討される方が増えています。どちらも「熱を防ぐ」というイメージがありますが、その仕組み(メカニズム)と得意な場面は全く異なります。この違いを理解しないまま選んでしまうと、期待した効果が得られないことも。今回は、この二つの塗料の決定的な違いと、どちらを選ぶべきかの基準を明確に解説します。

遮熱塗料:太陽光を「反射」して熱を防ぐ

遮熱塗料は、太陽光(特に熱エネルギーに変換されやすい近赤外線)を効率よく反射することで、屋根や外壁の表面温度が上昇するのを防ぐ塗料です。

  • 仕組み: 塗料に含まれる特殊な顔料が、鏡のように太陽光を跳ね返します。
  • 目的: 夏場の太陽熱が建物内部に侵入するのを防ぎ、室温の上昇を抑制すること。
  • 効果:
    • 屋根・外壁の表面温度を10〜20℃程度低下させます。
    • 結果として、室温を2〜3℃程度下げる効果が期待できます。
    • 冷房の効きが良くなり、省エネに繋がります。
  • 得意な場面: 夏場の暑さ対策に特化しています。

断熱塗料:熱の「伝導」を遅らせる

断熱塗料は、塗膜の中に含まれる中空のセラミックビーズなどが、熱が伝わるのを遅らせる(伝導を抑制する)ことで、室内の温度を快適に保つ塗料です。

  • 仕組み: 塗膜が魔法瓶のような層を形成し、熱の移動を妨げます。
  • 目的: 夏は外の熱が室内に入るのを、冬は室内の暖かい空気が外に逃げるのを防ぐこと。
  • 効果:
    • 夏場の暑さ対策だけでなく、冬場の寒さ対策にも効果を発揮します。
    • 結露の抑制効果も期待できます。
  • 得意な場面: 夏と冬、一年を通して室内の温度環境を改善したい場合。

どちらを選ぶべきか?比較まとめ

特徴 遮熱塗料 断熱塗料
仕組み 太陽光を反射する 熱の伝導を遅らせる
主な目的 夏の暑さ対策 年間を通した温度調整
得意な季節 夏 & 冬
価格 一般的な塗料より少し高価 遮熱塗料よりさらに高価

選び方のポイント:

  • 「夏の西日が特に厳しく、とにかく夏の暑さを和らげたい」 という場合は、コストパフォーマンスに優れた遮熱塗料がおすすめです。
  • 「夏も暑いが、冬の底冷えも何とかしたい。年間を通して光熱費を削減したい」 という場合は、初期費用は高くても断熱塗料が適しています。

注意点:色によって効果は変わる

一つ重要な注意点があります。特に遮熱塗料の場合、その効果は色に大きく左右されます。太陽光を反射しやすい白や淡い色ほど遮熱効果は高く、黒や濃い色になるほど効果は低下します。デザインとのバランスを考えながら、できるだけ明るい色を選ぶことが、性能を最大限に引き出すコツです。

遮熱も断熱も、正しく選べば非常に高い効果を発揮する優れた塗料です。ご自身の家の環境や、最も解決したい悩みに合わせて、最適な塗料を選択しましょう。

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