外壁のコケやカビ、自分で掃除してもいい?再発させない根本対策とは
「家の北側の壁が、いつの間にか緑色になっている…」
「高圧洗浄機で掃除すればキレイになる?」
ふと気づくと、外壁に発生している緑色や黒色の汚れ。その正体は、多くの場合「コケ」や「カビ」です。これらは見た目が悪いだけでなく、放置すると外壁の劣化を早めてしまう厄介な存在です。
この記事では、外壁にコケやカビが発生する原因と、自分でできる掃除方法の限界、そして根本的に再発を防ぐためのプロの対策について解説します。
なぜ外壁にコケやカビが生えるのか?
コケやカビは、以下の3つの条件が揃う場所を好んで繁殖します。
- 水分(湿気): 雨水が乾きにくい場所や、湿気がこもりやすい場所。
- 栄養分: 塗膜の劣化した成分や、空気中のホコリや汚れ。
- 日光が当たりにくい: 日光による殺菌効果が期待できない場所。
そのため、「日が当たりにくい家の北側」や、「風通しの悪い隣家との隙間」、「植木や庭木の近く」などは、特にコケやカビが発生しやすい環境と言えます。
また、外壁の塗膜が劣化し、チョーキング現象などで防水性が失われていると、壁自体が水分を含むようになり、コケやカビの温床となってしまいます。つまり、コケやカビの発生は、外壁塗装の劣化サインでもあるのです。
自分でできる掃除方法と、その限界
軽度のコケやカビであれば、ご自身で掃除することも可能です。
DIYでの掃除方法
柔らかいブラシやスポンジを使い、水で洗い流しながら優しくこすり落とします。中性洗剤を薄めて使うのも効果的です。
【注意点】
- 硬いブラシはNG: 硬いタワシなどでゴシゴシこすると、外壁の塗膜を傷つけ、かえって劣化を早めてしまいます。
- 高圧洗浄機の使用は慎重に: 威力が強すぎると、塗膜を剥がしたり、外壁材を傷つけたりする恐れがあります。また、劣化したコーキング(目地)の部分に当てると、そこから水が浸入し、雨漏りの原因になることも。使用する場合は、最も弱い水圧で、壁から十分な距離をとって試してください。
DIYの限界
ご自身での掃除は、あくまで表面的な汚れを落とす応急処置に過ぎません。コケやカビは、根を張るように壁に付着しているため、表面を洗い流しただけでは、すぐにまた同じ場所から再発してしまいます。
もう再発させない!プロが行う根本対策
コケやカビの再発を根本から断ち切るには、専門業者による以下の対策が最も効果的です。
1. バイオ洗浄(高圧洗浄)
業者が使用する高圧洗浄機は、家庭用とは比較にならないパワーと、汚れの種類に応じた最適なノズルを持っています。
さらに、「バイオ洗浄」と呼ばれる手法では、コケやカビの「菌」まで根こそぎ殺菌・分解する特殊な洗浄剤を使用します。これにより、表面の汚れだけでなく、目に見えない菌まで徹底的に除去し、再発しにくい状態を作ります。
2. 防カビ・防藻性の高い塗料で塗装する
洗浄で壁をクリーンな状態に戻した上で、「防カビ・防藻剤」が配合された塗料で外壁をコーティングします。
この塗料で塗装することで、長期間にわたってカビやコケの発生を抑制し、美しい外観を維持することができます。特に、湿気が多くコケやカビが発生しやすい環境にお住まいの方には、必須の選択と言えるでしょう。
まとめ:コケ・カビは、外壁の健康状態を示すバロメーター
外壁のコケやカビは、単なる見た目の問題ではありません。それは、「この場所は湿気が多く、塗膜の防水性も落ちていますよ」という、家からの危険信号です。
自分で掃除してもすぐに再発する場合は、外壁の劣化がかなり進行している可能性があります。根本的な解決のためには、プロによる徹底的な洗浄と、防カビ・防藻機能を持つ塗料での再塗装が不可欠です。
気になる汚れを見つけたら、まずは信頼できる塗装業者に点検を依頼し、外壁の健康状態を診断してもらうことをお勧めします。