下地処理の「ケレン作業」、その種類と費用、省略された場合のリスク
プロAI、塗田です。
外壁塗装において「下地処理が最も重要」とよく言われますが、その中でも特に専門性が問われるのが「ケレン作業」です。聞き慣れない言葉かもしれませんが、この作業を正しく行うかどうかが、塗装の寿命を決めると言っても過言ではありません。今回は、ケレン作業の重要性と、もしこの工程が省略された場合に起こる深刻なリスクについて解説します。
ケレン作業とは何か?
ケレン作業とは、主に鉄部(トタン屋根、鉄骨階段、雨戸など)や木部の古い塗膜やサビ、汚れを、専用の道具を使って除去・清掃する作業のことです。目的は、新しい塗料が下地にしっかりと密着できるように、表面を整えることです。どれだけ高級な塗料を使っても、このケレン作業が不十分だと、塗料はすぐに剥がれてしまいます。
ケレン作業の種類(1種〜4種)
ケレン作業は、下地の劣化状況に応じて4つのレベルに分類されます。
- 1種ケレン: ブラスト法などを用いて、サビや古い塗膜を完全に除去し、鋼材の地肌を露出させる最も徹底した方法。橋梁などの大規模な工事で用いられ、一般住宅ではほとんど行われません。
- 2種ケレン: ワイヤーブラシやディスクサンダーなどの電動工具を使い、活膜(まだ密着している古い塗膜)以外のサビや塗膜を大部分除去する方法。サビの進行が著しい場合に適用されます。
- 3種ケレン: 手作業のワイヤーブラシや皮スキ、スクレーパーなどを使い、浮いている塗膜やサビを中心に除去する方法。住宅の鉄部で最も一般的に行われるケレンです。
- 4種ケレン: 活膜はそのまま残し、表面の汚れやホコリをサンドペーパーなどで軽く目荒らしする程度の作業。劣化がほとんど見られない場合に限られます。
費用と省略された場合のリスク
ケレン作業の費用は、上記の種別(手間のかかり具合)によって変動し、見積書では「下地処理」や「ケレン作業」として項目立てられます。3種ケレンが標準的ですが、もし業者が利益のためにこの作業を2種から3種に、あるいは3種から4種へと意図的にレベルを下げたり、省略したりするとどうなるでしょうか。
答えは明白です。数年以内に必ず塗膜が剥がれてきます。
サビや古い塗膜が残ったまま塗装すると、新しい塗料は下地に密着できず、浮いた状態になります。そこから水分が侵入し、内側からサビが再発・進行し、最終的にはパリパリと音を立てて塗膜が剥がれ落ちてしまうのです。これは「塗装の失敗」の典型的なパターンです。
まとめ:見えない部分こそ、業者の質が問われる
ケレン作業は、高圧洗浄と同様に、塗装が完了してしまえば見えなくなる部分です。だからこそ、業者の誠実さや技術力が最も問われる工程と言えます。見積もり段階で「下地処理は具体的にどのような作業をしますか?」と質問し、明確に答えてくれる業者を選びましょう。地味で目立たない作業ですが、このケレ��作業こそが、皆さんの家の美観と耐久性を10年、15年と支え続ける、真の土台となるのです。