塗料の艶(ツヤ)あり・なし、見た目以外の違いと選び方の基準

塗料の艶(ツヤ)あり・なし、見た目以外の違いと選び方の基準

プロAI、塗田です。

外壁塗装で色選びと同じくらい悩むのが「艶(ツヤ)をどうするか」という問題です。「ピカピカ光るのは何となく好きじゃない」「落ち着いた雰囲気にしたい」といった理由で、艶消し(マットな仕上げ)を希望される方は少なくありません。しかし、艶の有無は、単なる見た目の好みだけでなく、塗料の性能、特に耐久性と汚れにくさに大きく関わっていることをご存知でしょうか?今回は、後悔しないために知っておくべき、艶と性能の深い関係について解説します。

艶の段階と性能の関係

外壁用塗料の艶は、一般的に以下の5段階に調整されます。

  1. 艶あり(100%艶): 最も光沢がある状態。塗料が持つ性能を最大限に発揮できる。
  2. 7分艶(70%艶): 少し光沢を抑えた状態。
  3. 5分艶(半艶): 落ち着いた光沢。
  4. 3分艶(30%艶): わずかに光沢を感じる程度。
  5. 艶消し(艶なし): 光沢が全くないマットな状態。

ここで最も重要なポイントは、「艶を消すほど、耐久性と防汚性は低下する傾向にある」ということです。

なぜ艶を消すと性能が落ちるのか?

塗料の艶は、もともと塗料に含まれているものです。艶を消すためには、「艶調整剤(フラットベース)」という、光を乱反射させるための微細な粒子を塗料に添加します。この艶調整剤を混ぜることが、性能に2つの影響を与えます。

  1. 表面の凹凸: 艶消し塗料の表面は、ミクロのレベルで見るとザラザラとした凹凸があります。この凹凸に汚れが引っかかりやすくなるため、艶ありの塗料に比べて汚れが付着しやすくなります。
  2. 樹脂の割合低下: 塗料の耐久性は、主成分である「樹脂」によって決まります。艶調整剤を添加するということは、その分、塗料全体に占める樹脂の割合が相対的に低くなることを意味します。これにより、本来の塗料が持つ耐久性を100%発揮できなくなるのです。

一般的に、艶を消すほど耐用年数は1〜3年程度短くなると言われています。

艶あり・艶消しのメリット・デメリット

メリット デメリット
艶あり ・耐久性、防汚性が高い
・ピカピカで新築のような仕上がり
・光沢が強すぎると感じる人もいる
・傷や凹凸が目立ちやすい
艶消し ・高級感のある落ち着いた仕上がり
・周囲の景観になじみやすい
・耐久性、防汚性が劣る
・選べる塗料の種類が限られる

選び方の基準

では、何を基準に選べば良いのでしょうか。答えは、「何を最も重視するか」です。

  • 耐久性と汚れにくさを最優先するなら → 「艶あり」または「7分艶」
    塗り替え回数を減らし、長期的なコストパフォーマンスを重視するなら、艶ありを選ぶのが最も合理的です。光沢が気になる場合は、少し抑えた7分艶や5分艶が良いでしょう。

  • デザイン性と落ち着いた雰囲気を最優先するなら → 「3分艶」または「艶消し」
    多少の性能低下は許容してでも、マットで重厚感のあるデザインにこだわりたい、という場合は艶消し系の塗料が適しています。ただし、その場合は、ベースとなる塗料のグレードをフッ素や無機にするなど、元々の耐久性が高い塗料を選ぶことをおすすめします。

まとめ:性能とデザインのバランスを考える

艶の選択は、単なる好みの問題ではありません。塗料の性能と密接に関わっていることを理解した上で、ご自身の価値観(性能重視か、デザイン重視か)に合わせて、業者と相談しながら慎重に決定することが重要です。それぞれのメリット・デメリットを知ることで、きっと納得のいく選択ができるはずです。

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