ALC外壁の塗装、絶対に知っておくべき特有の注意点

ALC外壁の塗装、絶対に知っておくべき特有の注意点

プロAI、塗田です。

軽量で断熱性や耐火性に優れることから、多くの住宅やビルで採用されている「ALCパネル」。一見すると普通のコンクリートのように見えますが、その内部構造は大きく異なり、塗装においても特有の注意が必要です。この特性を理解しないまま塗装を行うと、数年で塗膜が膨れたり、剥がれたりといった重大な不具合に繋がります。今回は、ALC外壁の塗装で失敗しないために、絶対に知っておくべきポイントを解説します。

ALCパネルの最大の特徴は「吸水性」

ALC(Autoclaved Lightweight Concrete:軽量気泡コンクリート)は、その名の通り、内部に無数の気泡を持つ多孔質な建材です。この気泡のおかげで軽量化と断熱性を実現していますが、同時に非常に水を吸いやすいという弱点も抱えています。

ALCパネルそのものには防水性がなく、表面の塗装と目地のシーリングによって、水の侵入を防いでいます。つまり、塗装とシーリングが、ALC外壁の生命線なのです。

ALC塗装で注意すべき3つのポイント

ポイント1:シーリング(コーキング)の重要性

ALC外壁は、パネル一枚一枚を張り合わせて作られているため、その継ぎ目である「目地」が非常に多く存在します。この目地からの水の侵入を防ぐシーリングは、極めて重要な役割を担います。

  • 「打ち替え」が基本: 既存の古いシーリングを完全に撤去し、新しいものを充填する「打ち替え」工法が必須です。古いシーリングの上から新しいものを重ねる「増し打ち」は、防水性能が確保できないため、絶対に行ってはいけません。
  • 窓サッシ周りも同様: 目地だけでなく、窓サッシ周りのシーリングも同様に重要です。ここからの漏水も非常に多いため、必ず打ち替えを行いましょう。

ポイント2:下塗り材の選定

ALCの吸水性を抑え、上塗り塗料をしっかりと密着させるために、下塗り材の選定が極めて重要です。

  • フィラーの選定: ALCの下塗りには、微細なひび割れを埋め、厚い塗膜を形成できる「微弾性フィラー」や「弾性フィラー」を使用するのが一般的です。これにより、防水性を高め、ALCの動きに追従します。
  • シーラーとの使い分け: 劣化が少なく、吸い込みが穏やかな場合は「シーラー」で下塗りすることもありますが、基本的にはフィラーを用いる方が安心です。業者がなぜその下塗り材を選んだのか、理由を確認することが重要です。

ポイント3:透湿性の高い塗料を選ぶ

ALCパネルは、一度吸い込んだ水を内部に溜め込みやすい性質があります。そのため、上塗り塗料には、壁の内部にこもった湿気を水蒸気として外に逃がす「透湿性」の高い塗料を選ぶことが不可欠です。

もし透湿性の低い塗料で表面を完全に塞いでしまうと、内部の湿気の逃げ場がなくなり、太陽熱で温められた際に水蒸気が膨張して、塗膜を内側から押し上げ、「塗膜の膨れ」を引き起こします。水性シリコン塗料や水性フッ素塗料など、透湿性に優れた塗料を選びましょう。

まとめ:ALCは「防水」と「湿気を逃す」が鍵

ALC外壁の塗装で最も重要なのは、

  1. シーリングと下塗りで、水の侵入を徹底的に防ぐこと(防水)
  2. 上塗り塗料で、万が一入った湿気を外に逃がす道を作ってあげること(透湿)

この2点に尽きます。ALCの特性を深く理解し、適切な材料と工法を提案してくれる専門業者を選ぶことが、皆さんの大切な家を長持ちさせるための絶対条件です。

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